熊本社員研修旅行記
12月に入り何かとあわただしい師走ですが、コロナの感染状況も落ち着いている今しかない!
ということで、12月4日仕事を終えてから六甲アイランドより阪九フェーリーに乗り込んで総勢7名で九州に旅立ちました。
今回の目的は、熊本で手刻みにこだわり105年の歴史を誇る「村田工務店」様への視察がメインの研修旅行です。
村田工務店の村田社長とは、2018年に京阪神木造住宅協議会に講師として来られた時に名刺交換をさせていただいたのがご縁で、以前から一度は弊社の社員大工の成長のために視察に伺いたいと思ってはいたのですが、仕事のタイミングやコロナの影響でなかなか踏み切れずにいたのですが、先月ふと思い立ちフェイスブックでメッセージを送ったところ、すぐに対応していただき、今回の研修が実現しました。
4日㈯の20時に六甲アイランドを出港し、新門司港へは明朝8:30に到着します。
夜明け前に一人起きだして日の出を見ようと甲板デッキに出てみると、まさにこれから日が昇ろうとしているところ。
寒さに耐えながら待つこと10分ほどで、きれいな日の出を見ることができました!
これは、今回の研修が素晴らしいものになる予兆だと、一人ニヤニヤしながら朝を迎えたのでした。
●九州上陸初日
今回は現場主任の栄君、そして社員大工5名と私の総勢7名でしたので、10人乗りのハイエースが私たちの足となります。
九州初日はゆっくり観光ができるようにと、フェリーを選択したのですが、フェリーの中で翌日の予定を相談したところ「九州に来たら知覧に一度は行くべきだ!」ということになり、新門司から一路鹿児島に向けてひた走り、4時間半かけて知覧に到着。
知覧といえば「知覧特攻平和会館」です。
第二次大戦の末期、日本軍が劣勢となり、沖縄本土に攻め込まれた際に日本軍の最終手段として特攻隊が結成され、多くの若者が招集され知覧で訓練を受けた後、片道の燃料と爆弾を搭載したゼロ戦を操縦しアメリカ艦隊めがけて出撃していった歴史の地なのです。
ここには、出撃命令が下った若者が両親(特に母上)に向けた遺書や、故郷に残した幼いわが子に向けた手紙などが展示されており、胸が詰まる思いです。
弊社の社員大工と同年代の若者たちが日本国のために命を犠牲に戦った事実を目の前にして、みんながどう思ったのか?今という時間を無駄にせず、仕事ができる当たり前の状況を見なおして精進してほしいと願うばかりです。
三角兵舎は当時の若者が寝起きしていた兵舎を再現したものです。
ここで、夜な夜な声を殺して泣いていた若者も多かったという話です。
この日は、鹿児島をあとにして、また熊本に戻るためひた走る一日でした。
●視察研修当日
6日㈪いよいよ楽しみにしていた「村田工務店」様の視察研修のために10:00に村田工務店本社を訪問させていただきました。
この日は10:00~17:30まで丸一日を私たちのために予定を組んでくださり、スケジュールはビッチリです。
村田社長、本当にありがとうございます!
早速事務所を後にして、社長のご自宅とその横にある作業場を訪問させていただきました。
作業場では、ベテランの上田棟梁が墨付けの真っ最中で、忙しい中手を止めて私たちに色々と説明していただき、何よりも棟梁としての心構えや仕事に向かう姿勢を教わりました。
棟梁の年季の入った手がすべてを物語っています。
この時点で、弊社の若手社員大工たちの聞き入る姿勢と、目をキラキラさせながら見学している様子に、私自身も驚いていました(笑)
その後は、作業場の隣にある社長のご自宅を見学させていただき、熊本地震で自宅が倒壊し、他の工事を最優先させて自宅は後回し、一通りの復旧工事が一段落したところでこのご自宅の建て替えに踏み切られた経緯や、村田工務店の大工全員の手が入った建物をじっくりと見学させていただきました。
いたるところに大工技術の粋が光る造作に一喜一憂しながら、村田社長の話に聞き入る社員大工たち!
あまりに社員大工たちが食いつくために、時間がどんどん押してしまいます(苦笑)
ご自宅を後にして、予定を変更して先に昼食を取ってから、次は築120年の古民家改修の現場見学へ・・・。
外観もほぼ出来上がっていましたが、ぱっと見築120年には見えません!
それもそのはず、建物を完全にスケルトンにして、建物を持ち上げて鉄筋コンクリートのべた基礎を新設し、柱を根継して階高も高くしてしまうという、大工の手刻み技術無くては絶対に出来ない荒業によって甦った建物です。
ここでも大工の技術に圧倒されながら、隅々まで見学させていただきました。
まだまだゆっくり見たいところですが、次の目的地のもう一か所の作業場へ向かいました。
私は村田社長の運転する車に同乗させていただいて移動していたのですが、道中も色々とお話をさせていただきながら、一流になればなるほど難しい大工職人とのエピソードや苦労話をお聞きして、私の方がかなり年上にもかかわらず、勉強になることばかりで移動中も非常に有意義な時間でした。
次の作業場に到着すると、そこには2組の大工さんが手刻みの真っ最中でした。
私たちの訪問に手を止めてくださって、7寸(21cm)角の大国柱に複雑な刻み加工を施した仕口に梁を差し込んで仮組をするところまで見せていただくことができました。
これには、もううちの社員大工たちは身を乗り出してのぞき込む者や、あまりの凄さに身動きできないものまで、とにかく圧倒されっぱなしでした。
村田社長から「棟梁に何か質問があったらどうぞ・・・」と言われても、レベルが違いすぎて何を質問していいのやら・・。
この6寸(だったかな?)鉋を見せられたら、さすがに腰が引けてしまいました。
この飯干棟梁は「全国削ろう会」という、全国の大工が木をいかに薄く削れるかを競う大会で全国3位の実力というから納得です。
今回は村田社長のYouTube「ファイヤーチャンネル」の撮影も兼ねていて、カメラマンも同行していましたので、ここでは集合写真やツーショット写真も撮っていただいて、後ほど「ファイヤーチャンネル」にupしていただけるということでこちらも楽しみです!
ここを後にして、最後は事務所に戻って、今日の感想や今後の目標などについてディスカッション。
手刻みにこだわる村田工務店のように、我々ホクト住建はこれからどこを目指すのか?
ホクト住建の強みは?
お客様の求めているものは?
ホクト住建に出来て、他社に出来ないものは何か?
村田社長からの客観的なアドバイスをいただきながら、それぞれが「ハッ!」と気づくことがあったり、大切なヒントもいただいて、そこを真剣に考える貴重な機会をいただきました。
また、来年には、ホクト住建の将来を左右する第一歩がスタートすることになりました。
どんな第一歩かは、また、皆さんに公表できるレベルになった時にお知らせいたします。
この度は、こちらの勝手な申し入れを聞き入れていただいて、このような貴重な機会を作っていただきまして誠にありがとうございました。
村田社長をはじめ、村田工務店の皆さまに感謝いたします。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
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